チューブワーム(ハオリムシ) 口も肛門もない深海生物【画像・動画有り】

前回は深海の熱水噴出孔で「スケイリーフット」を見ることがてきました。身体の一部が鉄でできているなんて生命は不思議ですね。

熱水噴出孔のブラックスモーカーの周囲には多くの生き物が集まるので、他にも珍しい動物を見ることができるかもしれません。引き続き探してみましょう。どうやら今回は口を持たない不思議な生物を見つけることができそうです。

博士:さっきのスケイリーフットは深海のアイドルと言われるだけあってかわいかったね。
助手:かわいかった。 手乗りサイズがよかったばい。

博士:そうだね。熱水噴出孔の周りに他にもはいろんな生き物がいるよ。見てごらん、「チューブワーム」の群れだ。

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チューブワームは口も肛門もない生物

チューブワーム
チューブワーム 画像
博士:「チューブワーム」は見かけからすると、どういう生き物かわかりにくい外見をしているんだ。体長は数十cmから大きいものだと2mにもなり、深海の熱水噴出孔の付近に生息しているよ。名前の意味は、「チューブ」というのは「管」で「ワーム」というのはミミズのような虫を表すわけだから、管状の構造に入っているミミズ状の虫のような生物という意味になるんだ。

白い管の表面はカニの甲羅のような成分でできていて硬くなっている。管の先の赤い部分はエラで、なぜ赤いのかというと、なんと血液が赤い(ヘモグロビン)からなんだ。ぴっくりだよね。
助手:じゃあ、傷つくと赤い血が出るのね。こわか。
チューブワーム 説明

博士:このエラは、魚のエラと同じで海水中の酸素をとりこむんだけどもうひとつ、人間では猛毒の「硫化水素」も取り込むんだ。
温泉地帯でガスを吸い込んでなくなる事故があるよね、あのガスが硫化水素だよ。
助手:チューブワームはなんでそれを取り込むの?

博士:うん、それにはチューブワームの特徴を知る必要がある。チューブワームの特徴は口、腸、肛門などの消化管を持たないことなんだ。僕たち生き物は生きている限り、外部から栄養を摂らなければ(食べなければ)生きていけないわけだよね。それで多くの動物は口から食べて腸から吸収する。でも口を持たないチューブワームはいったいどうやって生きているか?不思議だよね。

助手:不思議や。何で?
博士:チューブワームはその管の内側の身体に大量の微生物をかっているんだ。そして、ブラックスモーカーのような熱水噴出孔から吹き出る硫化水素を取り込んで、体に飼っている微生物がこの硫化水素を分解してエネルギーにしてるんだ。

この関係は植物と葉緑体の関係に似ている。そして、植物が「太陽」から「葉緑体」を通してエネルギーを得ている(光合成)のに対して、チューブワームという動物は「地球の内部の火山ガスである硫化水素」から「微生物」を通してエネルギーを得ているんだ。

これは、太陽がなくても生物が生きていける仕組みとして注目されているんだ。だって、火山活動がある惑星であれば、太陽が届いていなくてもこういった生物が存在する可能性があるということだからね。ちなみに木星の衛星エウロパには火山活動が確認されている。同じような生物がいれば宇宙人の存在も期待しちゃうね。

助手:他の惑星にも?夢がふくらむわぁ。
博士:動画も見つけたよ。後半にチューブワームがでてくるよ。前半は「ブラックスモーカー」の映像だよ。何度見ても、海の中の映像とは思えないほどの黒煙だね。

チューブワームの動画

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